宗教について 〜 人の生と死を考える 注32

公開: 2023年3月12日

更新: 2023年4月8日

注32. ジョン・ロックの基本的人権

17世紀のイギリスの思想家、ジョン・ロックは、国王の権力と国民の意志による自由を調和させる目的で、「基本的人権」思想をまとめ、提言しました。それは、国民の信教の自由、所有する財産の利用の自由、自分の生命を維持することの自由、の3つの自由です。これらは、18世紀に書かれたアメリカ合衆国の独立宣言や、19世紀にフランス皇帝ナポレオンが定めた憲法に記述され、その後、米国憲法に盛り込まれました。

それまで、国民の宗教は、国王が選択していました。しかし、ロックは、それは個々の国民が自ら決定できる権利であるとしました。次に、個々の国民が経済活動を通して得た財産は、自分の意思で処分することができ、国王と言えども、勝手に処分することはできないとされました。最後に、国民の生命は、徴兵などによって国王の自由になるとされていましたが、ロックは、国王の恣意的な徴兵を禁止するべきであるとしました。、

近年では、世界の多くの国々で、憲法が制定されています。それらの憲法では、ロックが提唱した基本的人権が謳われています。

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